俺が岡山県から就職のため上京してきてから、東京の生活で戸惑ったことの一つとして「言葉遣い」がある。恐らく関東生まれの関東育ち、もしくは関東の生活が長い人は違和感を感じないんだと思うけど、東京で暮らしてまだ2年も経っていない俺は、当初と比べて慣れたとはいえ、未だ違和感を感じつつ生活している。今回は俺が違和感を持った東京の言葉遣いを紹介しよう。
■同意の意味の「ね!」「ね〜」「だよね?」
まずはこれ。実は上京してきた当初は聞く度に鳥肌が立つ程気持ちが悪かった(今ではだいぶ慣れた)。例は以下。
・例1
A「今日は暑いね」
B「ね!」→Aの「暑いね」という発言に同意している
・例2
A「あの仕事って大変だよね?」
B「ね〜」→Aの「大変だよね」という発言に同意している
こんなナヨナヨした言葉を婦女子ならまだしも大人の男も使うなんて! と衝撃を受けた。なんだ「ね!」って! 小学生かお前は! 俺が今の会社に入って関東出身の同期から、雑談の中で「ね!(言った本人としてはただの同意の意味で使ったらしい)」と言われたときは、「ワシが岡山出身の田舎モンじゃからってバカにしとんかおどれは!」と思ったほどだ。まぁそれほどに岡山では使わない。使うとしても子供の言葉だ。
ちなみに先ほどの例を岡山弁で言うとこんなかんじ。
・例1
A「今日はあちぃなぁ」
B「そうじゃなぁ」
・例2
A「あの仕事って大変よなぁ」
B「おう」
■同意の意味の「〜じゃん」
元々は横浜の方言だったらしいがいつのまにか標準語の地位を獲得してしまった「〜じゃん」。説明するまでもなく皆さんご存じだと思う。
・例1(洋服店にて)
A「この服いいじゃん! 買っちゃおうかな?」
B「ね! 買っちゃえばいいじゃん」
俺も岡山にいた頃から「〜じゃん」という言葉があることは知っていたし、別に違和感も感じていなかった。しかし上京してきてから違和感を感じ始めたのは、やはり周囲の人がみんなこの「〜じゃん」を使っていたからだ。岡山にいたころは、周囲の人がそれほど「〜じゃん」を使っていなかった、あくまでTVや漫画の中で使っているくらいで、リアル「〜じゃん」使いに遭遇することが少なかったのだ。
岡山弁では「〜じゃん」は「〜が」になる。こんなかんじ。
・例1(洋服店にて)
A「この服ええが! 買おうかなぁ?」
B「買やぁええがぁ」
今まで↑の世界で生きていたのに、大人になっていきなり「〜じゃん」が支配する世界にやってくると慣れるまで時間がかかるようだ(今ではだいぶ慣れた)。
■会話の合間に「さぁ」がやたら多い
「俺さぁ、昨日さぁ、コンビニ行ってさぁ、おにぎり買ってさぁ……」みたいに会話の途中をやたら「さぁ」で区切ってリズム付けてくる人が東京に来たら多いように感じる。
岡山ではこんなにさぁさぁ言ってる人はいなかったさぁ なんでさぁ?
■言葉遣いが丁寧? 丸い?
これは岡山がキツイと言われればそれまでなんだけど、東京は言葉遣いが丁寧というか、丸いというか、まるで子供に話しかけるような言葉遣いをしている人(大人の男性でも)が多い。語尾に「ね」を付けている人が多いからかな?
岡山にいたころは、周囲に広島(広島弁)とか大阪(関西弁)があったこともあり、全体的に言葉遣いがキツかった。俺が大学時代接客業のバイトをしていたんだけど、客のオッサンが広島弁でブチキレたときなんて恐ろしくてたまらなかった。それに比べると東京の人は言葉遣いが丸いから、怒っていてもどれ程怒っているのか判断しにくい。
■そもそも岡山弁とは?
「岡山弁ってどんなの?」と言われたときは「お笑い芸人の千鳥みたいなしゃべり方」と答えている。千鳥のしゃべり方はややオーバーなところがあるが、だいたい岡山弁はあんな感じだ。「〜じゃ」「〜じゃのう」みたいなしゃべり方を老若男女しているのが岡山だ。
また岡山弁の特徴として、とにかく発音を略したがる。「暑くてたまらない」を「暑ぅておえん」とか、「買っちゃえばいいじゃん」を「買やぁええが」とか、言葉と言葉の間をつなげて楽したがる。実際に声に出して読んでみると、標準語と比べて発音が楽ではないだろうか? こういう気楽なところが俺は結構好きだったりする。
すごく極端な例で言うと「台所の大根と鯛を炊いておいて」が「でーどころのでーこんとてーてーてーてー」になる。流石にここまで訛っている人はいないが、こんな風に楽に発音したがるのが岡山弁の特徴なのだ。
■まとめ
岡山弁はいいぞ