カイラギの日記

主に日常を綴る雑記ブログ

なぜ小池都知事はカタカナ語を多用するのか?

政治家のイラスト(女性)

 

 

 小池百合子東京都知事といえば、会見でカタカナ語を多用することで有名です。今回の新型コロナウイルスの会見においても、「クラスター」「オーバーシュート」「ロックダウン」など、僕たちが今までの人生で初めて聞く言葉を連発していたし。これについて、先日ふとなんでかなと疑問に思ったのでここに書かせていただきます。

 

 僕が考えた結論として、視聴者の印象に残りやすくするためなんじゃないかなと思いました。最初は「カタカナ語を使ってカッコつけているんじゃないか?」「小池さんは頭が良すぎて、一般大衆の知識レベルが分かっていないんじゃないか?」とか思っていたんだけど、小池さんの育ち・学歴・経歴を見ると、本当に優秀な人だと思うんですよ。そんなに優秀な人がなんの考えても無しに、誰も分からないような難しい言葉を連発するだろうか? きっとなにか理由があるのではないかと僕が行き着いた結論が、「視聴者の印象に残りやすくするため」ではないかと思うんですよね。

 

 会話の中によく分からない言葉があると、聞き手としては引っかかるわけです。「え? 今なんて言った?」と注意が惹きつけられて、結果として小池さんの話は記憶に残る。つまり視聴者としては小池さんの毎回の話に注目するわけだし、印象にも残るから話題になるし、メディアの注目度も高まります。

 

 でも普通に考えると「リーダーは難しい言葉を避けて、より多くの人に分かる簡単な表現を使ったほうが良いんじゃない?」と思いますよね? ビジネスの場でも「やたら小難しいカタカナ語を使うやつは見栄を張っているだけ。多くの人が理解できる言い方を使わないと自分の意見が伝わらず非効率」みたいなことをよく聞きます。

 

 しかし今回の新型コロナウイルス騒動、もしくは以前の都知事選挙など、「より多くの人に、自分の発言に注目してもらいたい」という場合だと、あえて誰も聞いたことがない言葉を使ったほうが有効ではないかと思います。

 

 例を挙げると、

 

 

A「本日、都内のライブハウスでクラスタ発生が確認されました。新型コロナウイルス感染者数は増加の一途を辿っており、オーバーシュートと言えます。現在、都内全域のロックダウン発動を検討しております。都民の皆様は、ソーシャル・ディスタンスを意識してください」

 

B「本日、都内のライブハウスで多くの新型コロナウイルス感染者が確認されました。新型コロナウイルス感染者数は非常に増加しています。現在、都道府県をまたぐ移動の制限を検討しております。都民の皆様は、人と人との密接を避けることを意識してください」

 

 

 

 AとBの文章はほぼ同じ内容を書いています。読み比べて、意味が伝わりやすいのはBだと思いますが、印象に残りやすいのはAではないでしょうか? なぜAが印象に残りやすいのかと言うと、聞き慣れない言葉がいっぱいあるからです。

 

「オーバーシュート」「ロックダウン」なんだか意味はわからないけど、強そうな言葉だし、文脈から類推するとヤバそうな雰囲気は伝わってくる……! だから視聴者は強く注意を引き付けられるし、メディアは騒ぎ立てるし、小池さんは常に注目の的になるわけです。

 

 こう言うと、「でも注目は集まっても、肝心のカタカナ語の意味を視聴者が理解できなかったら意味ないんじゃない?」と思うかもしれません。しかし小池さんの言葉を伝えるのはメディア(TV、ネットニュース、新聞)なので、大衆が理解出来なさそうな言葉は注釈が付けられます。よって小池さんとしては、印象的なパワーワードを連発しても大衆に届くまでにはメディアが補足してくれるので問題なし、となるわけです。

 

 

 まぁこれはあくまでも僕の想像なので、話半分に聞いて頂けると助かります。ただ女性で東京都知事まで上り詰め、前代未聞のウイルス大流行の中でトップで指揮を取っている小池さんは、間違いなく超優秀な方だと思います。そんな小池さんのことだから、恐らく何か明確な意図があってカタカナ語を多用していることは間違いないはず、と僕は思っています。